この円安と、カナダの恐ろしいインフレにもかかわらず高校留学希望はまだまだ多いですね。
倒産続きのエージェントに費用持ち逃げされる危険も諸共せず、「高校留学!」と。
日本の窮屈な教育から逃げたい気持ちはわからないでもないですが Wait a minute!
ご相談が来るたびに”Why?”「なぜ高校留学したいですか?」を一番にお聞きしますが「あれ?それ?」と思うことが多いです。
そこで、「高校留学」をCritical Thinking の重要なステップを使い分析してみることにしました。
「高校留学」の姿が明白に浮かび上がって来ますよ。
1.クリティカルシンキングStep1 Ask questions. Be willing to wonder.
クリティカルシンキングの最初のステップは”Why?”「なぜ?」です。
ネットやエージェントの言うことすべてを信じ込むのではなく、「なぜ?」を自分で考えること、です。
日本の学校での経験、カナダの高校制度の観察、そして留学希望本人の能力・適性などから”Why”に迫ってみましょう。
今までお聞きした中でダントツに多い高校留学の理由が「英語が出来るようになるから」でした。
本当にそうですか?
カナダの高校に例えば3年在籍した生徒と、日本の高校で英語の基本(特に文法)を学習した生徒とを比較した場合。
常に日本の生徒に軍配が上がります。
TOEFLでもIELTSでも、英検でも同じです。
日本の優秀な高校生の方がはるかに高いスコアを出しています。
え?優秀な高校に行けなかったからカナダの高校に?
それは無謀過ぎますよ。
いかに日本の受験狂乱が激しいとはいえ、子供の生来の高い学力なしでは高いレベルの高校には行けませんよね。
どれだけ塾にお金をかけても限界があります。
それと同じことが留学にも言えます。
もともとの高い学力が備わっていない日本の高校生が、いきなりカナダで、言葉も文化も違う、カリキュラムも異なるカナダでいきなり優秀になると思いますか?
なりません、脳科学からも不可能です。
つまり、答えは、日本でももともと高い学力があり、特別な環境を設定した場合のみ、高校留学がもしかして機能するかも。
これがクリティカルシンキングからの答えです。

2.クリティカルシンキングStep2: Define your terms. (考える対象の物事を明確・具体的に定義する。)
「高校留学」を定義なしで考えると満足な結論にたどり着けません。
まず日本の「留学」の定義は?
「留学」についての学術研究から調べると、こんな興味深いことを発見しました。
「エリート層が中心となる長期留学が減少する一方,非エリート層中心の短期留学が増加していると考えられる点が示唆された。」
つまり、本来の留学はエリートとも定義される「能力の秀でた学生が長期間外国で学ぶ」こと。
しかし、能力はないので長期「留学」は避け、短期留学でちょこっとお遊び程度の留学をする数が増加。
当に今カナダに来る高校留学生が見せている傾向です。
じゃぁ、高校卒業留学は3年以上の長期だからよかった!なんて思わないで下さい。
能力がないまま無理やり期間だけ長くしても無意味です。
エリートとも定義される「能力の秀でた学生」でないと機能しないのが「高校留学」です。
上記研究にはこんな続きもあります。
「長期留学の減少について若者の「内向き」志向と一般化してしまうことの誤謬と,教育格差の視座から短期留学に着目する必要性について指摘した。」
「教育格差の視座から短期留学に着目する必要性」が面白いです。
先日来、日本の受験狂乱や間違った英語イマージョン教育について書いてますが、それを裏付けている研究だと考えます。
つまり、日本ではトップクラスの高校には行けない生徒の親が、その教育格差を「高校留学」で隠してしまおうとしているということだと考えてしまいます。
個々の子供にはそれぞれに特有の能力がDNAにより備わっています。
それを適切に伸ばすことが最高の教育であることを日本は忘れてしまったみたいです。
みんなが高い学力を臨むことがおかしいですし、どう転んでも無理です。
能力がないまま高校留学しても、脳は外国語であり理解もままならない英語の嵐により混乱し、ただ単にその英語という道具を並べるだけ。
肝心の基本知識も英語では理解出来ず、英語の断片のみが残る教育不在がその後の人生に影響を与えてしまいます。
日本の学術研究からも警告を発している間違った留学を、根底から考え直す時だと思います。
次回は、クリティカルシンキングステップ3・4から分析していきます。
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