バイリンガルについての興味深い研究結果についてです。
私が提供するBilingual Education(日本で育つ子供へ)のTrialがまもなく始まります。
詳細はこちら。
受付はまだ締め切っておりませんので、興味のある方はぜひ仲間に入って下さい。
バイリンガルには2種類あります:1)生まれながらに2か国語の環境にいる 2)ある年齢に達した後に2カ国語以上の環境を作る
Bilingual Education(日本で育つ子供へ)はもちろん後者。
日本の方が子供さんに期待するバイリンガルとは、両親が日本人・日本語話者である場合と設定しています。
その環境から最大効果的に英語と日本語のバイリンガルに近づくことを目的としています。
Trial参加者への面談も始まり、個々のTrial参加者の適性・興味を使い、現在の言語研究で最新の仮説からデザインした挑戦が始まろうとしています。
本日紹介する研究は、1)のバイリンガル環境にいる乳児の脳の変化を証明したものです。
しかし、脳の言語部分の成長プロセスは、2)のバイリンガル環境にもつながる大切なものですので、注視したい重要なものとなります。

(ケンブリッジ大学のBoria Blancoの研究)
生徒4ヶ月の乳児を2つのグループに分け実験。31名はスペイン語だけの環境、26名はスペイン語とバスク語のバインリンガル環境。使用した音は、スペイン語のストーリー”The Little Prince by Antoine de Saint-Exupéry”
バイリンガル環境で育つ赤ちゃんには4ヶ月目頃にはすでに脳に特徴的なパターンが見られ、そのパターンはその後も広範囲に成長を続けていくことがわかった。
2か国語が日常的使用される環境(Bilingual環境)にいる4ヶ月目の乳児には、1か国語だけの環境にいる乳児と比べ、脳の言語部分が大きく活性化されるパターンが認められる。
*Bilingual 環境とは:例えば英語と日本語とのバイリンガル環境とは、親の1人が英語母国語話者、もう1人が日本語母国語話者として2つの言語を日常的に使用する環境を指す。
(TVやMediaの画面から流れる音には乳児の脳は反応しないということは科学的にも証明済み。単なる言語の断片が脳に入るのみで、影響を与えることはない。母国語の言語発達過程にはむしろマイナス影響が心配される。)
バイリンガル環境に生まれた赤ちゃんの脳には、4ヶ月目ですでに言語をプロセスする部分に特徴的なパターンが現れることがわかった。
生まれて間もない乳児の脳は、周りに常に存在する言語により大きく影響を受け、すでに原型が出来ていくことが証明された。
生まれて間もない時期にバイリンガル環境を経験することで、脳がニューロンの言語ルートを作り始める。
そして、そのルートは広がり続け、成長過程のみならず、その後の人生においても大きな利点となると。特に生まれて1年以内に育つ環境には脳は非常に敏感に反応する。
生まれて1年以内の脳はa critical period for language development(言語発達への臨界期:この時期をすぎると発達することはないとされる期間)と考えられているから。
過去の多くの研究でも示されているが、ひとつの言語だけを聞いている乳児にも実は脳の言語部分にはすごい能力が備わっている。
生後3ヶ月目の脳にはすでに母国語を話している人と他の言語を話している人とを区別出来る。
つまり、すでに外からの言語の影響に適応する能力が備わっているということ。
今回の研究で、乳児がどのようにバイリンガル環境での話し声を区別・プロセスするのかのメカニズムが明らかとなった。
functional near-infrared spectroscopyを使った今回の研究では、乳児の脳内での血流の変化を測定し、言語に反応する脳のどの部分が活動中であるかを調べた。
スペイン語のストーリー”The Little Prince by Antoine de Saint-Exupéry”を聞かせたところ、スペイン語だけの環境の乳児には、脳でspeech をプロセスする左側前頭葉と側頭葉に活動が見られた。
スペイン語とバスク語のバイリンガル環境の乳児にも同様の脳の部位に活動が見られたが、はるかに広範囲の活動だった。
またバイリンガル環境の乳児は、脳の右側の同じ部分にも活動が観察された。
今度は、同じストーリーを逆再生すると、1か国語だけの乳児とバインリガル乳児は異なる反応を見せた。バイリンガル環境の乳児は普通に再生したストーリーも逆再生したストーリーにも同様の脳活動パターンを見せたが、モノリンガルの乳児は逆再生には大きな反応を見せた。
これはおそらく、バイリンガル環境の乳児は第一言語(この場合はスペイン語)で適応するのに時間がかかったためと思われる。スペイン語と、バスク語の両方の言語を認識し反応するのに時間がかかったのが理由だと推察出来る。
この余計にかかった時間こそが、この乳児期からすでにバイリンガルの脳が育っている利点を示している。脳の両側を最適に使えることで、言語理解への大きな利点が発達しするから。左利きの人が、右利きの人より両方を使える能力が高いために、脳卒中後の言語機能回復がうまくいくのと同じ利点。
こんな考えも可能。
1か国語だけの環境の乳児は聞いたことのない言語の音は全く新しい音ととらえ、興味を示している可能性もある。
この研究の画期的なことは、バイリンガル環境は乳児の脳機能を変化させ、幼児への成長過程において言語プロセスの基礎を作るという証拠を見せていること。
2言語以上を学ぶ脳細胞の土台は人生のかなり早い段階(生後4ヶ月)で出来ていくことが示された。
更にこの研究は成長過程の脳の言語部分がどう発達するかも明らかに示している。
脳の左側が言語をつかさどる中心であることは周知の事実だが、実はそれは最初からではなく、成長過程でその部分が集中発達することによるものであること、また幼い頃どのような言語環境を経験するかで大きく変化することを証明している。
「より多様な言語環境で育つことにより、脳の言語部分は広い範囲に広がり、両方の脳がフル活動する成長へとつながる。」ということです。
この研究だけでなくこれまでのバイリンガル研究が示しているのは、残念ながら、より多様な言語環境を用意することが効果を生むのはCritical Period(言語発達への臨界期)においてのみ。
それを過ぎると、全く異なるアプローチが必要になります。
幼児英語教室、インターナショナル幼稚園、英語イマージョン小学校、インターナショナルスクール(日本やアジアにボコボコ出現しているもの)、中学・高校での留学などは、全く逆の結果を生むアプローチとなることは、証拠を添えコラムで公開している通りです。
その全く異なるアプローチを試そうとしているのが前述のBilingual Education(日本で育つ子供に)Trialです。
私自身の言語経験、40年間指導している日本の生徒の英語力発達のObservational Studies、そして、最新のバインリガル研究結果を基にしたTrialです。
子供の脳を大切に大切に育てたい方をお待ちしています。
How Can I Help?
