留学生を助けるということ:ひとりの若者の一生を前向きに変えること

2016年、カナダに移住してからずっと、その「助ける」という活動をしています。

カナダにベースを移すまでの長い間、日本の生徒にクリティカルシンキングを教え、エッセイを教え、外国のことをいっぱい教えて来ました。


学ぶことは楽しい」んだよ!のメッセージと共に。

そんな教え子たちが相当数海を渡り、このカナダで学び学位を取りました。
嬉しいことです。
ところがところが、2016年に目撃した高校留学生の姿に衝撃を受けました。

勇気を出して海を渡ってやって来たカナダでの日本人高校生の酷い様子に愕然としました。
カナダ社会での存在感のなさに。

「高校留学生」とは名ばかり。
単に金の成る木と成り下がった日本の未成年の姿がそこにありました。

親も子も現実を知らないまま、舌を出しながら平気で嘘をつくエージェントや学区に騙され、大金を払い遠い異国カナダに。
そこでは「高校留学」なるものが完全にビジネスと化し、犠牲になり続けている日本の未成年たちの姿が。
その現実に目を背けることが出来ず、私の目撃した高校留学ホラー物語と、カナダメディアも気がつき始めたことを「カナダ高校留学の実態」eBookとして公開しました。

2020年、ちょうどパンデミック直前でした。

黙っていることは出来ませんでしたね。
社会正義に反すると思いました。

大きな反響がありました。
eBookが世に出て以来、たくさんの出会いがありました。

忘れられない出会いばかりです。
学区には睨まれましたし、エージェントには憎まれたことでしょう。

日本の親子にさえこんなことを言われました。
「あなたは否定的なことしか書かないんですね。」
そんな声が変わって来るのは速かったです。

「眞知子先生!声はちゃんと届いてますよ。」という励ましの言葉がたくさん届くようになりました。
「あのコラムのおかげで。。。」「あのeBook のおかげで、高校留学を思いとどまり本当に助かりました。ありがとうございました。」
こんなメッセージも届くようになりました。

留学してしまった生徒、それでも留学したい生徒親子からの問い合わせも増え、多くの大切な出会いがありました。

私とパートナーのロバートの二人で運営するカナダクラブを土台に、たくさんの日本人高校生が、無事に留学生活を送れるようヘルプを続けて行きました。

高校生たちも準備不足だった英語エッセイの能力も着実にあげていき、最初会った時には卒業は到底無理だと感じた生徒が見事卒業し、カナダでの進学を実現させました。

そんなエピソードがいっぱい積み上がって行きました。

ただ、すべてうまく行った留学生ばかりではありません。
悔し涙をカナダに残して去った高校生も多かったです。
また、悔し涙を流しながらもあきらめずに、私たちと一緒に戦った高校生も数多くいます。

心に残っている実例を2つあげてみます。

・日本では正義感あふれる少年、いじめを野放しにすることに耐えられず学校や教師と対立。もちろん、日本では頭を押さえつけられますよね、そんな中学生は。頭もいい子でしたが、学校には反抗的でしたので、成績は芳しくありませんでした。

これもよくあることなのですが、日本の親はこのような子供を学校から必死に守ろうとするケースがあります。これもそのケースでした。

そして出す結論が「日本の学校はうちの子には合わない。」

日本ではその子も正義感が生かされることはないと、短絡的に考えてカナダに送りました。

「日本が合わない=カナダに行こう」というよくある考え方で。

なぜ良く知りもしないカナダなら合うと思ったのでしょうか。

その時相談してくれていれば、彼に相応の環境を提案出来たのですが、カナダ留学に関しては「単にエージェントに」という考えから出られなかったようです。

カナダに来た彼は今度は逆の立場になりました。今度は「いじめのターゲット」です。

エージェントに送られたのは白人至上主義で悪名高い地域。その中のカトリック系の高校(色々めんどくさいです。)

そんな環境で、自分の正義感も生かすことが出来ず、ホストからは「しつけの悪い日本人扱い」学校の勉強もカナダの教育制度への完全な準備不足でした。つまり、成績の悪い、ホストにも評判の悪い、日本人留学生。いくら「人種差別は悪い!」と声をあげても聞いてくれる人のいない妙な留学生活となりました。

カナダクラブからは精いっぱいヘルプを行いましたが「大人の意見は聞かない」という好ましくない傾向を親が日本からも助長し続けたこともあり、まもなくカナダクラブもカナダも去って行った次第です。

先日公開した「自由の意味」についてのコラムをぜひ読んでおいてほしかった生徒です。

自分の思い通りの留学を決めつけて、その道を突っ走ろうとして転んでしまったケースです。
私たちのアドバイスを聞いて、ちょこっと横道に入ればうまく行っていだだろうなと今でも思います。

・次は、ほんの最近の出来事です。こんなこともカナダでは起こり得ます。

ちょうどパンデミックの終わり頃、You Tubeなどで「カナダ高校留学は簡単!」「高校留学で卒業しました!」「カナダの高校から大学進学出来ました!」というのが出回ってた頃です。

パンデミックで教育不能になったカナダの高校が、とりあえず間に合わせのオンラインコースを作り、何でも提出したらAをつけるというとんでもない状況に陥っていた頃です。

つまり、普段はカナダのレベルに悪戦苦闘する、準備も何もせずにカナダに来た日本人高校生が安安と卒業してしまった年です。大学進学も、高い踏み台を履かせた成績を提出しますので、ポイポイ入学許可が出来ました。入学後は果たしてカナダの大学レベルについていけたのかどうかは不明ですが、私の知る限り、相当数の日本人留学生がドロップアウトしたのは間違いありません。

SOSも結構受けましたが、ほぼ全滅状態でした。

そんなYouTubeの宣伝や、エージェントの口車に乗って高校留学してしまった日本人高校生が随分いました。エージェント曰く「選択科目だけで卒業出来る」「簡単なコースを取り50%とれば卒業出来る」という思わずひっくり返りそうな嘘が振りまかれた時代です。

それに乗って留学し、結局卒業出来なかった日本人高校生が相当数いたと思います。

それでも頑張ったら何とかなると思った生徒たちがカナダクラブに入ってきました。私たちも一生懸命指導し、何とか卒業までこぎつけるようヘルプを行いました。

しかし、ストレスはものすごかったでしょうね、留学生たちの。そのストレスから精神的に参ってしまい、卒業出来ずに帰国した日本人高校生の数も多かった時です。そのようにして日本に帰国してしまうと、中途半端となり高校卒業資格がないままです。

日本人はカナダではなかなかやり直すことが出来ません。現地の生徒ならあらゆる方法があり、カナダの国をあげて高校卒業資格だけはとの制度を作っているのですが、留学生にはその恩恵は回って来ません。

その留学生は卒業の年に、卒業を待たずに帰国してしまいました。学校でのストレスに崩れてしまったようです。(この年は同じようなケースで、精神的に崩れた日本人留学生が多かったです。)

卒業に必要な単位はあと2コースと生徒は言いました。カウンセラーと話あった結果です。結構難しいコースが残りました。幸いなことに、その留学生が在籍していたアルバータ州では途中挫折し日本に戻った日本人高校生にもアクセス出来るオンラインコースが充実しています。日本から受講出来ます。ただ、オンラインで難しいコースを履修し良い生徒で合格するのは至難の業です。ということでなかなかうまく行きません。また、そのオンラインコースは19歳までしか履修出来ませんので、どんどん時間が迫って来ます。

せっかくカナダで頑張って来て、最後の最後に色々起こりすぎて、若い脳が参ってしまった。本当に残念なことです。せめて高校卒業資格だけでも取らせてあげたい。

そこで、私たちが動きました。私とパートナーのRobertです。以前に面識のあった高校の校長に電話をかけました。夏休みもかかり、新学期の忙しい時期もかかり、なかなか本気になってくれません。それでも食い下がりました。その生徒が帰国する前には、私たちが高校に乗り込み、交渉し、学校に大きな印象を与えていたのが役に立ちました。

私たちはエージェントでも何でもない、ただ、日本人高校生がカナダで自分の力を最大に出して頑張れるようカナダクラブから指導し大応援しているだけです。留学先の高校には何のしがらみもないし、全く独立した大人同士として校長や教育長と話しをすることが出来ます。

学校側も、私たちを「本気で日本人留学生を助けようとしている人たち」と、見てくれるようになりました。エージェントは馬鹿にしている学区や高校は、私たちの存在をかなり好意的に見てくれるようになりました。

本当は、少し私たちを用心しているところもあります。自分たちがいい加減に留学生を扱っていることを日本には知られたくないですからね。その弱みをうまいこと操りながら交渉を進めて行きます。すごいですよ、私たちの交渉のテクニックは。

「こうやって日本の留学生を助けるのか〜!」とびっくりなさるでしょうね。

2回目の電話でやっと校長先生が本気になりました。(カナダの教育関係者を本気にさせるのは、なぜかかなり難しいです。が、Robertのテクニックはすごいの一言です、)「もう一度Transcriptを見てみよう。何が足りないんだ?」と言いながら、しばらく無言。そして一言。「あれ?卒業出来るてるのでは?」

驚いたのは私たちだけでなく、校長先生も相当ショックだったようです。こんな感じで “What the F… happened here?” (実際には言葉にはしませんでしたが、まさにこんな様子でした、)
「ちょっと時間くれないかな、1時間でかけ直す。」

私たちはニンマリ。「やった!」の瞬間でした。
そして、1時間後。はっきりは言いませんでしたが、その留学生のTranscriptに少しお化粧をしたみたいです。それっぽいことを早口で言いました。

そして! 「卒業証書Diplomaをすぐにメールで送るから。彼女は卒業出来ている!」
本人と親が喜んだのはご想像の通りです。

本人言「カナダってすごいですね!」あ。。。。いや、わかるけど、そうじゃなくて。

「RobertとMachikoがすごいんです。」
これがカナダクラブの戦いです。

私たちはまるで軍師のように、策を練ります。
Strategistです。

留学生という未成年を助けるために。
その若者の一生を前向きに変えるために。
ナダクラブにいらっしゃい!