カナダ・アルバータ州の真ん中あたり。
広い広い地平線に囲まれた小さなキャビンから、日本の生徒たち(小学生〜大学生)にクリティカルシンキング思考法と、その思考法がないと書けない本物英語エッセイをオンライン・カナダクラブで指導しています。カナダに移住して10年、日本で指導していた内容がカナダに来てますます気合が入っています。

そのキャビンからこんな叫び声がある日聞こえて来ました。
「え〜!?日本はまだ英検やってたの? しかも小学生が何級取った!ということがまだ自慢になってるの?」
正直、驚きました。
私が英検なるものを初めて手掛けたのは、今もう50近い息子たちが小学生の頃。
2回ほど試したあと、「ダメだ、これは。全く日本式の英語もどきだ。こんなのやってると英語の思考法なんか理解出来るわけがない。脳の言語の発達に逆行してる。」と、とっとと「やってはいけない英語勉強法」の仲間入りをさせました。約40年のクリティカルシンキング指導歴のほんの最初の出来事です。
それが、まだやってる?
ふむ。
とりあえず、もとの話題に戻ります。私がカナダから日本の生徒を指導しているカナダクラブについて。
私のもともとの専門は「言語学」それに大きなプラスが加わったのはカナダのUniversity of British Columbiaで学んだ”Linguistic psychology” “Developmental Psychology” “Brain Psychology”です。そしてまたまた学びたいと、HarvardのOnlineコースから”Fundamentals of Neuroscience”。”Learning is Fun!!”を生徒にと、多様な学問の裏付けを基に、個々それぞれに学び方の異なる生徒たちの脳を育てています。
1989年からの相棒のRobert McMillanは、数学と論理の専門家。数学論理を使い日本の生徒に教えるエッセイはずば抜けた迫力を持っています。生徒たちの楽しそうなこと。「エッセイ大好き!」なんだそうです。彼は数学専門にプラスしIBMからのAI研究者としての資格も得ました。今の時代に彼抜きの指導は考えられない貴重な存在です。
最近は、カナダの学校が始めた「生徒が賢くAIに対応するためのクリティカルシンキング」も特別カリキュラムとして開始。生徒たちの目がいたずらっぽく輝くのが面白いです。
コラムは「クリティカルシンキング」「Essay Basics(カナダのGrade11まで通用するエッセイの基本」「留学の難しさ」「高校留学の裏の汚さ」などを中心としたもを相当数公開し。「カナダ高校留学の実態」eBookも2冊無料公開しています。
ところが、ところが、最近のAIの累乗の進化により、世界の教育事情が一変しましたね。
AIにコントロールされて自分の脳を使わなくなっていく生徒たちを守るべく、世界の国々の教育が大きく変わろうとしています。
もっともっとクリティカルシンキングを子どもたちに!です。

そんなAI時代の波に「留学」の姿も大きく変わってしまいました。ま、特に高校留学には「パンデミック」が息の根を止めたのが一番の原因ですけどね。
読者のみなさんにもわかりやすいように、これまでの留学eBook を時系列で見直し新たな「新カナダ高校留学」eBook公開を予定しています。
AI対応としては、長年のパートナーRobert McMillanが、カナダのGrade9レベルのエッセイが書けるようになった生徒には、自分の書いたエッセイと同じトピックのエッセイをAIに書かせ、いかにAIがいい加減であるかをクリティカルシンキングを駆使して分析する訓練をやってます。面白いですよ。
はい、お待たせしました。英検に戻ります。

「まだやってたんですか?」
日本の生徒たちの英語力が世界で飛び抜けて低いのは、実は「英検」が大きなマイナスだと思います。英検の問題は、100%日本式な考えをもとに、そこに一応英語に見える単語を当てはめていくだけの1990年代から変わっていないテストです。日本の学校でも未だに同じことをやってますね。
「3年生で今回始めて英検5級に挑戦し、合格出来ました!」
という書き込みを見ましたが、未だにそんなことが自慢になっているのかぁと。
英検は過去問もどきを要するに覚えたらよいテストです。英語理解に必須のクリティカルシンキングがどこにも見当たりません。
そのお子さんは自信がついたとか? 自己評価が上がるのはとても良いこと。
でも「3年生で英検?!と周りのお友達にも驚かれて、本人の自信にもなったようです。」とは違うのでは?
「なんだ、この子まだ英検なんてやってるのか?!」だったのでは?
2級とやらのライティング問題でも、日本式オーラ全開です。
例えば:Some people provide free online video content to help students to study by themselves at home. Do you think this is a good idea?
(80 ~ 100 words)
設問が曖昧なことこの上ないです。オンラインでビデオを公開することについての是非か、それとも、それを使って自主勉強する生徒の是非か。どっちでしょう。どちらにしても80〜100で論理的に組み立てたエッセイを書けるとは思えませんが。受験生は迷ったことでしょうね。
また、こんなエッセイもどきのようなサマリーを書かせても何を評価するのか、それも不明です。
しかも、理由を思いつかない生徒にはヒントまで書いてあります。
Convenience
Efficiency
Quality
まるで思考の誘導のように見えます。
「この理由を書いて当たり障りのないサマリーを書いて下さい。これが日本ではよいWritingなんだよ〜」と耳元で囁いているようなぞ〜っとする気持ちになりました。
英語圏の生徒たちは、まず:与えられたトピックが曖昧なら徹底的に質問します、80〜100語で何が書けるんだ?!と文句を言います、納得するまで書かないでしょう、提案されている理由に関しては「自分で考えるからこれは余計」とまで自分の自由なクリティカルシンキング思考を邪魔されたように気分を害します。それが英語で考えるということ、英語で書くということ、です。
ところが、日本の教育制度で育った子供なら、きっと「この理由を使った方がいいんだろうな。」とこのヒントに自分の考えを変えられるのではと心配です。
ほらね、英検が書かせようとしているのは「英語」でも何でもない。「日本語で考えて単に英語っぽい言葉に置き換えろ。」です。
カナダの大学や高校にやって来る日本の生徒のアカデミックサポートも、カナダクラブは提供しています。
そんな生徒中に、「高校留学したいです、英検は小学校の時に3級、中学で2級を取りました。」という生徒は結構多いです。
あのね、それはカナダではほとんど役に立たないですよ、とはかわいそうで言えませんが、役に立ちません。お母さんに言われるままに過去問を覚えた努力はすばらしい。でも、カナダでの学校では何の役にも立ちません。そんな英検なんかの代わりに、英語の本を何十冊も読んでいるほうがはるかにはるかに役に立ちます。英検っ子って案外読書はしてないんですね、それも驚きです。
そうですね、せめて中学で1級を取得出来る「過去問からの類推力」の持ち主ならば、カナダの高校でもまぁ失敗することはないでしょう。しかし、英検1級はその生徒にクリティカルシンキング思考力があるかという証明には、全く届きません。1級を取ってカナダ高校留学しても、1からクリティカルシンキング訓練をしないとカナダの優秀な高校生レベルに追いつくのは無理です。
英検そのものが、クリティカルシンキングに逆行した「超日本式テスト」ですから。
本人は一生懸命努力したんでしょうにと、「あ。。英検ですか。」でいつも絶句しそうになります。
歴史がまたさかもどります。
私が最初に英検を手掛け(今50に手が届く息子たちが小学生の時)た頃、すでにやたらと「うちの子小学生なのに英検3級なんですの。」と自慢するママ達がいました。
そんなママ達に聞いてみました。
子供が18歳になった時どっちの能力を持っていてほしいですか?
1.「小学生で英検3級取った!」と自慢出来る能力
2.「クリティカルシンキング思考法で英語でのInput, Ouputが高いレベルで出来る」能力
2番ですか?賢明な判断です。
英検・英検と夢中になっても2番の能力は育ちません。
むしろ子どもの「英語を理解しようとする脳の発達」の大きな弊害になります。
Watch Out.
大澤眞知子
Robert McMillan
(カナダ・アルバータ大平原の小さなキャビンより)

カナダクラブ
