AIの累乗の進化は専門家の予想をはるかに超え、今や私たち人間を脅かす存在となって来ました。そして、AIの脅威はすでに私たちの生活のすべて入り込もうとしています。
特にカナダ。社会でも、学校でもAIへの認知度、周知度の高いカナダでは、これまで想像もしなかったような劇的な変化が起ころうとしています。
特に、教育で、教室の中で。
その一番大きな衝撃をまともに受けるのは、全く異なる教室から留学する日本人高校生です。今までの高校留学の常識の通用しない世界が待っています。日本の丸暗記制度からの留学生には、まるでSFのような未知の世界が待っていることをまずは認識して下さい。そして、そのためにどう準備するべきなのか、それを知ることがこれからの「カナダ高校留学」に至る道であることを、コラムを通じて書いて行きます。

Economistの記事からの引用です:
AIの脅威
“When an AI model builds its own successor, with no human involvement, that will be the start of “recursive self-improvement”: a closed loop where one version produces a faster and more capable version of itself—and so on. Anthropic has warned this could happen soon. For now, we report, physical constraints set limits on the speed at which models can self-improve.”
「AIが自分で自身の次のモデルを作り出す時が来たら(英語で”When”を使っている時には、「そんな時が来ます。」と断定している意味です。「つまり、その時は必ず来ます。)、そこには人間の介入も出来ず、そこから始まるのはAIの『再帰的自己改良』;閉鎖されたループの中で、AIのひとつのバージョンが更に速く、更に高い能力を持つAI自分自身のモデルバージョンを作り出します。
アンソロピックはこれはまもなく現実のこととして起こるだろうと、警告を発し続けています。今の段階では、AIモデルが自己改良していくスピードに物理的な制限をつけることが必要だと警告しています。」

カナダの高校では、すでに多くの生徒がAIでエッセイの宿題を書いており、またそれを周知している教師たちは対応に追われる余裕もないほど、AIの教室への侵入が劇的なスピードで起こっています。
さぁ、カナダの高校、どうする?
カナダのメディアが報じている今後の高校留学の予想を拾ってみました。
《Globe and Mail》
AIが教え、教師は補佐というNew Worldがやって来た。
今、教育者にとっての大きな問題は、すでに「AIが学びに影響を与えるか?」ではない。「AIはすでに学びの場に侵入し、侵略を始めてしまった。」今の大問題は、「AIを教室にどう導入するか。しかも、責任を持ち、自信を持ち、安全に、生徒や教師をサポート出来る方法で。」である。
AIの進化のペースが急激に速くなり、ゆっくり考える時間の余裕はない。数年前までは、AIは高数学の難解な代数問題をやっと解くことが出来ただけだった。昨年、AIは国際数学オリンピックで金メダルをとるほど進化した。Western University のチーフAIオフィサーはこう述べている。「一番賢い人間が40年間解くことが出来なかった問題を、今やAIが解けるようになった。私たちはこの時代に生きている。」これを我々は認識すべき時が来ている。
教室で起こっている問題は更に深い。「高校生たちのスマホがすぐ、教授の脳を超えていく。」
今、AIの累乗の進化は止めることが出来ない。従って、学校はAIを運用していくために、大幅にスケールアップした試みを行うことが必須である。例えば、Microsoft Copilotを用いると。カリキュラムも、生徒のレポートも会議の概要もすべてAIが行うようになる。時間の余裕が出来た教師たちは、生徒ひとりひとりの精神的ケアや、学びの内容に手をかけることが可能となるかも知れない。
もちろん、リスクも伴う。AIは生徒間の学力差をあっという間に縮めてしまう。Aiはすべての生徒に個人指導を行い、果てしのない忍耐力を持ち、生徒が必要な時にはいつでも側にいる。優秀な生徒はAI利用で更に前に進める。
では?教師は必要?教育者は誰?という疑問も起こって来る。
指導はAI,教師は生徒の好奇心を高めたり、やる気を起こさせたり、他への思いやりを持てるよう働きかける。今や、AIにより、どんな情報もただで誰にでも手に入るということになれば、教師と生徒との関係、考え方により、生徒の学ぶ過程に大きな違いも生まれかねない。
教師の必要ない高校。
「答えはAIがくれる。いわばチープに手に入る、誰にでも。それを最大利用するにはどうすればいいか。教師には、人間にしか出来ないことをやってもらう。」私たちが住んでいるのは、こんなNew World.
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《CBC》
AIに対応するには、生徒に更にクリティカルシンキングの能力をつけること。
教育者はAIの潜在能力、に注目している、そしてもっと注目しているのがAIの落とし穴。その落とし穴にはまらないためには、クリティカルシンキングをこれまで以上に力を入れて指導することが必須。
カナダの生徒の大多数がGenerative AIを使っている今、この現実と直面することしか私たちの選択肢はない。
ますます多くの指導者が、自分の教室にAIの侵入を許し、明確なルールを設定し、生徒たちにはAIを責任を持って使うよう – そして一番大切なことはクリティカルシンキングはAIを使うのに必須であるとの方針にシフトしている。
これが現在のカナダ、9月の新学期には学校が劇的な変化を遂げているだろう。
高校のみならず、大学の教授たちも指導方法を再考し、生徒の評価方法も再考し、しかも、各教授それぞれがルールを決め、生徒はそのルールに従いAIを使うことが現状。大学全体でのルールではなく、各教授それぞれのルールというのが今後どんな結果を出していくのか、評価なども含めて問題が出て来る予感。
大学の教授は大変忙しいので、学生からの質問などには普通TA(Teaching assitant)が対応するのがこれまでのこと。特には複雑な宿題について、学生から細かい質問が来ることが多い。
そこで、ある教授は人間のTeaching assitantの代わりにAIを訓練した。ChatGPTを使い約100種類の宿題、プレゼン、ノート、録音した授業を使って訓練したとか。その教授が何年にも渡り行って来た内容が基本データとなる。
AIはまたサンプル試験も作ることが出来、それについての特定の質問にも答えることが可能。もちろん、AIに試験を書いてもらうことだけは不可能。そのヒントももらえない。人間同士のやりとりのない大学。
この他にも様々な試みがすでにカナダの大学で始まっており、その試みの中でAIはどんどん学び、学期の終わり頃にはどの学生も追いつけないほどの知能を蓄えていくことは間違いない。学生からのPromptを栄養として。そしてその後は?
誰にも予想がつかない。
ある教授の声:
「どんなルールを作っても、高校でも大学でも、簡単な近道としてAIを使ってしまう学生がいます。必修のコースでも使います。自分でやること、またAIをうまく使うことの価値がまだわかっていないですね。それで、授業でもAIをいかに効果的に、倫理的に使うかの指導も行います。ある課題にはAIの使用禁止をルールづけることもありますが、学生はそれにはきちんと対応しています。」
また、アルバータ州南部にあるUniversity of Lethbridgeの教授はこんなことを学生に伝えた。
「Generative AIは有用な情報源ですが、適切に使わないと困った複雑な事態も引き起こします。このコースでは、アサインメントにAIが作ったCodeを利用することは許可しますが、成績は最終に提出した質によって決まります。もし、単にAIに頼っただけの内容を、それが何を意味しているのかを理解することなしで使用した場合は、このコースが目的としているクリティカルシンキングスキルを成長させるチャンスを逸していると理解して下さい。」
少々不気味。
使っていいけど、そのままAIにPromptして出てきたものを提出すると「成績悪いぞ〜」という意味が透けて見える。
AIのOutputをクリティカルシンキングで詳細に吟味し、その結果をアサインメントとして提出すること。これが必須。
このルールは、おそらくカナダ全土の高校でも使われるはず。
今更「AI禁止」は非現実的。
AI使用はOKだけど、100%そのまま頼るな、と。
AIに宿題を書かせたら学校も簡単、などと考えているとすぐに学校から放り出されるかも知れない。先生たちにはすぐバレるのが、今のAIが書くLLM(Large language model)。
(宿題にそのまま使うには今のAIはまだまだ欠陥だらけ。詳細はこのコラムをどうぞ「どちらが人間の書いたエッセイ?どっちがAIの書いたエッセイ?その理由は?」)
生徒たちの普段の思考能力、書く能力はよく把握している先生には一瞬でAIの書いたものをそのまま提出したとわかる質。
AIを使った後に、あなたがそれにどうクリティカルシンキングを使い、自分の宿題としていけるかが問題になる。
それさえあれば、それで先生を満足させれば、AIを効果的・倫理的に使えたという評価で、良い点数をもらえるであろう。そのままAIを使った場合は、今学年中に評価がどこまで厳しくなってくるのか、カナダの教室に注目していたい。
これらカナダ主要Mediaの報道は、決してSFの話ではありません。
今、この現在にカナダで起こっていることです。
それに従い「高校留学」はこれまでには想像も出来なかった内容となって行くことでしょう。
9月に高校留学を予定しているみなさん、これまでの常識は通用しないと覚悟してカナダに来て下さい。
どんな準備をすればいいかって?
これからの高校留学へは、アカデミックサポート(特にAIを効果的・倫理的に使うための)そして一番大切なクリティカルシンキング訓練は欠かすことが出来ないということです。
カナダクラブからは、事前準備を含め、学期中のAIへの対応、教室の劇的な変化への対応をサポートして行きます。私大澤とパートナーRobertの脳と能力を集中し、このAI時代を生きる高校生を支えたいと、現在準備を強化中です。
AIは要するに数学とロジック(Robertの専門分野・IBMの資格有)そして人間の脳を再現しようとしたもの(私はHarvardからのNeuroscienceの基本があります。勉強しておいてよかった〜!の思いです。)。その二人の専門性を合わせ、高校生たちが迷うことのないよう、丁寧にリードしていく予定です。
もちろん、クリティカルシンキングはカナダクラブが中心に据えて長年指導を続けて来たものです。エッセイにはクリティカルシンキングが必須、読んで考えるにもクリティカルシンキングが必須。その意味で、カナダクラブ生はこのAI時代を一歩も2歩も有利に進めると自信を持っています。
思えば、数年前、突然のパンデミックで学区からもエージェントからも見放された日本人高校留学生を助けましたね。相当数の高校生が、私たちからの情報やアドバイスで、新たな一歩を踏み出して行きました。
今回のAIの侵略(まさに)は、パンデミックのように終わりが来ることはありません。ますます脅威を増して行きます。今の高校生が社会に出る頃には、今までの人類が想像もしていなかった世界が待っていることでしょう。
すぐそこまで来ているAIの未来への準備をすること。それが高校生には今一番大切なことです。待ったなしの準備です。
最後に、おそらく私のコラムやeBook読者のみなさんが驚くだろうなと思うことを一言。
高校留学には絶対的に反対な立場を取り続けて来ました。経験と観察に基づいた論理的な結論から。
ただ、このAI時代に、未だに古臭い教育を続ける日本の高校には実はAI席巻以上の危惧を感じています。「日本の高校生は、カナダの学校のようにAI時代への準備などしてくれない!」
日本の高校生は世界的に見てもかなり不利な状況にあると考えます。
そこで、このAIによる危機的状況の中、初めて言います。
「日本の高校生のみなさん。もしあなたに中学までの高い基本学力があるならば、カナダにいらっしゃい!カナダであなたの未来への準備を助けたいです。」
注意:「もしあなたに中学までの高い基本学力があるならば」の部分だけはどうしても外せないことも理解して下さい。カナダの高校の基本的な勉強にさえついていけませんので。
「AIが劇的に変えたカナダ高校留学」への質問のある方(逆に質問ないのも心配ですが)大歓迎です。
こちらまでご連絡下さい。
カナダクラブ関係者(生徒、親のみなさん)には、後日更に詳しい内容のお知らせをお送り致します。
大澤眞知子
Robert McMillan
